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40代主婦の七転八倒雑記ブログ

エアコンが死んだ日。

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エアコンは突然死んでしまうもので、

死んで動かなくなってから新しいものに買い買えるんですよね?


古いエアコンだからと言って、正常に動いているエアコンを

わざわざ新しいものに変える話は聞いた事がないのですが。

たまにぬるい風が出ているとか、調子が悪いと言った兆候が出ているなら話は別だけど、

いつか壊れると思っていても、まだ動く…まだ大丈夫…と祈りながら

皆、電源を入れてるんだと思っている。


うちの仕事場のエアコンも、朝から普通に動いていたのに突然に息を引き取った。

長雨が続いて梅雨明けも遅く、コロナ禍で家電が売れているとはいえ、
ここまでエアコンの在庫がないとは思ってもみなかった。


家電量販店はどこも2週間から10日待ち。
あっても取付作業員の予約は取れなくて

本体の在庫同様、作業員の在庫も確保できない。
大きな母体と言うのはこんな時には1mmも融通が効かない。

例えば家に老人がいるから優先してくれないかと訴えてみてもそれは無理な話なのだろうか。

独居老人宅のエアコンが壊れたら、ここまで自力で電話して、

今日明日は無理だと言われてさらに町の電気屋を探し当てる気力があるだろうか。

そんなことがとても心配になって一人で違う方向に憤慨した。

 

「俺は電気バカだから、これを機会に町の電気屋さんと仲良くしておきたい」

と、夫が申したので近所の電気屋さんを探しまくった。
高い買い物なので、ポイントやカード払いの効く量販店で買いたいところだけど
こればかりは生死に関わるので「我慢する」と言う選択にはならなかった。

直ちに、早急に、出来れば今、「お伺いしますよ」と言ってくれたところに軍配が上がるに決まっている。

エアコン本体が安くても、家電リサイクル料金や手数料、なになに料、かにかに料がプラスされるので、

結局は個人店と大差はないと判断した。

あってもそれは「当日取付延命料」として納得できる。


「在庫があったので明日行ける」と返答してくれた電気屋さんの提出した料金は、全て込み込みで¥115,000。
他2件も大体同じくらいだが、在庫がなかった。

 

さすが!!町の電気屋さん!!

量販店のあちこちに電話をかけまくったところで

こうはならないよね!!と夫婦で小躍りした。


電気屋さんの作業用と私達の応急処置用を兼ねた扇風機を買いにホームセンターへ走ったが、
やはりここでもエアコン取付は「19〜20日後」と表示してあった。
道中の車のエアコンも効き目が弱くなったりとおかしかった。
遅く来た猛暑で全てが狂っているみたいだった。

 

翌日。

朝10:00から町の電気屋さんが取付にかかる。

仕事部屋の6畳の部屋は熱気がこもって既にハワイアンズ

65歳前後の礼儀正しい小柄なおじさんは真っ黒に日焼けしていた。

陽のあたるベランダでの作業、などが多いのだろうか。

電話では昨日も確か取付工事に行っていたはず。

「家電量販店はどこも在庫がないみたいなんですよー」と切り出したら、

おじさん目を瞑って「そうなんですよ…昨日も量販店で断られたお客さんがうちにきました」としみじみ語る。

やはり、この突然来た猛暑でフル稼働のエアコンが突然死したりが多いらしい。

仕事場のFAXを取りに行った夫も、珍しくおじさんと色々世間話をしたりしていた。

 

12:30頃だったろうか、おじさんは一旦作業を終えて店に戻ると申し出た。

そうか、町の電気屋さんは昔だったらそのお宅で昼食を御馳走になったりするのだろう。

お昼を食べる目的もあるのだな。

そんな事はすっかり頭になかった、すみません、気が付かなくて。

でも今は皆、そこまで気は使わないのか。

てゆうか、やっぱりエアコン取付って時間がかかるもんなんだなとあれこれ考えては一人で納得した。

そこにあるものを外してから、新しいものを取り付ける訳だから、午前中で終わる訳がないんだねー

・・・などと夫と雑談しながら、午後に来るだろうおじさんの再訪を待った。

おじさんは、商工会議所の人だったので、うちの仕事の説明を聞きながら、

コロナ禍で苦しむ町の飲食店の話などを夫としたらしく、

なんだかさりげなく交流を図っていた。

「これを機会に町の電気屋さんと親しくなる」と言う夫のもくろみは半ば成功しているようだった。

私は、キッチンの電気をシーリングタイプに変える工事をお願いしたくて

早くエアコン取付が終わらないかとそっちの方が気になった。

 

ところが、おじさん、2時間経っても戻って来ない。

インターホンが鳴らない。

いくらなんでも遅すぎるよね・・・と思って、催促みたいで嫌なんだけれども

14:30になっても現れないからついに携帯に電話したけどおじさん出ない。

昨日問い合わせした店の方にかけても誰も出ない。

お店の方は、奥さんらしきおばちゃんが対応してくれたのだが誰も出ない。

転送にもならない。

携帯に何度も電話したけど、折り返しもなく、全く無しのつぶて。

 

これはもう…具合が悪くなって休んでるか、熱中症で病院に担ぎ込まれてるに違いないと

思ったが、

ヤキモキしながら待つことしかできなかった…っっ。

救急車で運ばれたとして、少し休んだ程度で本日の業務は再開できるのか?

取付が終わり次第、私達は週末の引きこもりの為、早急に出かける予定だけど?

脚立や工事用具や中途半端に撒かれたホースや何やらかにやらは、おじさんの回復までこのままなのか?

いや、来週でも何でも再開できればいいが、もしかして容体が重篤で、

もしも・・・もしも意識が戻らないとか、

もしも・・・

そこでインターホンが鳴った。

覗き込むとおじさんが画面に映っている。

「大丈夫ですか!!!!!!??????」

 

−−−−−−−−−

 

「おまえ、完全にあの時おじさんを殺しただろ?」

週末引きこもりの郊外ビジネスホテルに向かう車中で

夫にそう突っ込まれたが、殺したとは心外な。

私の中で電気屋のおじさんは、病院で酸素吸入をしながら点滴を打っていた。

もう、そうとしか思えなかったが、おじさんはなんでもなかった。

玄関まで迎えに行き、「遅いので具合が悪くなったとばかり思って・・・っっ」

とか言ってる様は、連絡しない息子に対して声を荒げる母親と変わりはなかったかもしれない。

おじさん、一旦店に戻って他の仕事してたそうな。

・・・そうなんだ。

無事なら別に良いのだけれども。

 

取付は18:00ぐらいにやっと終わった。

元々付いていたエアコンの取付器具と新エアコンのそれが合わなくて

はめ込むのにギリギリで色々と手間取ったらしい。

おじさんは丁寧な仕事をしてくれた。

最後に領収証と一緒に商工会議所のパンフレットを夫に差し出した。

それが町の電気屋さんとの出会いだった。

 

私にとっては色々と突っ込みどころもあったけど、

最近はあまりそういう事は割と直ぐに右から左へ流して

気にしないようにできている。問題ない。

キッチンの電気工事については、またゆっくり考えよう。

 

ありがとう、町の電気屋さん。

 

 

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